「DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW」お話は終わってもそのキャラクターの人生はずっと続くということ

EXILETRIBEが送る超弩級アクションエンターテイメント HiGH&LOWシリーズ

 

去年の「HiGH&LOW THEMOVIE3 ファイナル・ミッション」で物語は一応の終わりを迎えました。

九龍グループと政府が組んでしかけたカジノ建設のための再開発計画の癒着を暴き

街をヤクザの利権から守ったSWORD地区の若者達はそれぞれ日常に帰りました。

 

そして今回の新作映画「DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW」です。

『喧嘩0笑い80感動20や』とHiGH&LOWシリーズの大きな売りの一つであったアクション無しで挑む今作は果たして刺激に慣れきった私達を満足させられるのでしょうか?。

 

 

 

答えは大満足でした。

 

 日常に帰った山王商店街で生活を続けるダン・テッツ・チハル

戦いがなくって刺激が無い日常から飛び出すためにSWORD地区の外へバイク旅にでかける。

そんな彼らが旅先で始めた温泉旅館の住み込みバイト。

そこには未亡人の女将といい関係の番頭 そして新しい父親が現れることが受け入れられない女将の一人娘の姿があった。

SWORD地区の外の世界で起きる「拳じゃ解決できないこと」に挑む物語

 

それがDTC映画の概ねのあらすじです

 

 

HiGH&LOWシリーズはずっと大人と子供の戦い

モラトリアムからの卒業などをテーマに進んできました。

そして3で「最後の喧嘩」に向かう中で「これから自分たちは大人になっていく」ということを受け入れながら終わっていきましたが。

映画が終わったって人間の人生は終わりません

ダンさんは山王商店街の店の跡継ぎ

テッツは騒動のなかで閉めることにな銭湯を再開するかどうか悩み

チハルはバイトの介護職員

 

このまま毎日仕事して刺激の無い毎日を続けるのか悩む3人が

ドキドキワクワクを求めて旅にでる姿にはHiGH&LOWのその先を描こうというものが見えて本当に良かったです

 

「子供じゃいられない」ことは受け入れられても「残りの人生働くだけで終わる消化試合」になることは受け入れられない だから何かを探しにいかないといけない

そんな「卒業間近」な人たちの青春がこれでもかと炸裂する本作は間違いなくHiGH&LOWでありました。

 

前作では国家の巨大な陰謀は誰かを殴り倒しても解決しないという意味合いで使われた「もう拳じゃ解決できねえ」でしたが今回は他所のお家の家庭の問題という本当に拳で解決不能な問題に出会うDTC

というかどう考えても関係ない余所者がそんなことに積極的に首突っ込んでいいんだろうかという問題を無理やり「誰かのためにってことが抜けると駄目になる」みたいなテーマと絡めて押し通す剛腕っぷりはちょっと大丈夫かと思いましたがだいたい吉本新喜劇の人情パートを感動的に盛ったやつなのでいいでしょう。

 

シリーズでも一番のギャグキャラだったダンさんの複雑な家庭の事情が明かされ

予告編時点だと「ダンさん子供に好かれそうだもんな」で流していた部分に

「複雑な家庭事情にぶつかった時の子供の気持ちに寄り添うことができる」というちゃんとした文脈に移し替えて見せてくれたので本当にダンというキャラクターが魅力的に映っていたのも良かったです。

 

さりげなく達磨一家がSWORD地区の外の祭りに勢力を拡大して的屋利権手に入れてるのも面白かったですね。

 

DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW

スピンオフではなくテーマとしても紛れもなく

「HiGH&LOW3の続き」である本作は喧嘩が無くても是非見に行きましょう。

 

いいこと!